2019年に中田敦彦にドハマリしたとき、「なぜもっと早くFANにならなかったのだろうか」と、わたしは大いに嘆いたものだ。
彼の芸歴の長さは知っていたし、オリラジ関連でバズっているのも認識はしていた。しかし、その時は“わたしの着ているお気に入りの服”ではなく、あくまで、“ラックにかかったステキな流行の服”だった。
だが、その日は突然やってきた。
貰い事故のように中田敦彦沼にスコンと落ちたのだ。
本当に、驚くほど “スコン” だった。
そのとき思ったことは。
こんなにも業火のごとく燃え上っているのに、私の心の柱に刻み込まれている“中田敦彦”のエピソードが少なすぎる! である。
もう取り返しがつかないのだろうか。
今からFANなんて、新参者すぎるのだろうか。
最初はおそるおそる、UNITEDという嵐の過ぎ去った国に入り、しばらくの猶予ののち、やはりおそるおそる、PROGRESS学園にも足を踏み入れた。
わたしの心配はまったくの杞憂だった。
2020年4月中旬、そこはまさしく戦場だったからだ。
もの凄い勢いで情報が飛び交い、今日はいとも簡単に明日に咀嚼され喰らわれる。しかし、明日も決して絶対勝者ではない。明後日がもう牙を剥いて、そいつを呑み込もうとしているからだ。
まるで思考の蟲毒のようだ。
なんだこれは。
なにが起こっているんだ?
わたしは、もしかして、“とんでもない化け物”が生まれる過程を見ているのではないか。
震えたね、わたしは。
そして同時に、わくわくもしたよ。
とにかく、刻み込まれているエピソードが少ないなんて、嘆いている場合じゃあなかった。
これまでの推しとは比べ物にならないくらい、ものすごい頻度で情報更新をしてきたからだ。
これまでが、半紙に賀正と書初めをしているようなものだとしたら、中田敦彦は、米つぶに7人の神様どころか、100人の神様を描いているような密度だった。
想像して欲しい。
野菜炒め定食を食べるつもりで、まちの中華料理屋に入り、満漢全席が出てきたら、みなさんだって仰天するだろう。
わたしもその時のCPUでは処理しきれず、慌てて心のメモリ増設をしたくらいだ。
そうして中田敦彦推しになってこのかた。ものすごい勢いで……なんならミクロン単位で刻まれるアレコレ、その全てが、とにかく面白くって仕方がない。
ここであらためてお礼を言いたい。
あっちゃん、本当にありがとう。
日々の配信やPGプロジェクトへの感謝はもちろんのことだが、オリラジ退所会見やWin収録に参加できたこと、決意表明をリアルで見れる幸運にも感謝をささげたい。
そして今回の観覧も、わたしの心の柱に大切に刻み込みたいと思う。
あっちゃん推しになってあと2か月ちょっとで3年になる。
気付けば、彼は“わたしの着ているお気に入りの服”ではなく、もうひとつ上の“ライナスの毛布”となっていた。驚きだ。
そうだ。
ライナスの毛布と言えば、夜中のアレについて、懺悔をしたいと思う。
ここで、わたしの表アカウントをフォローしている方々にお詫びを申し上げたい。
仕事が終わって夜中に、あっちゃん情報がないかと検索しようとして、間違って“中田敦彦”とツイートしたことがあったからだ。
おまけに夜中で半分寝ていたものだから、何度か“検索”を試したあげく、「今日は特に中田敦彦で検索はひっかからないのかな?」などと考えて、そのまま放置し、数日後に気がついて、慌てて消したことが、一度ならずともあった。(さすがに今はない)
フォローしている人は、さぞかし不気味に思ったことだろう。“中田敦彦”とだけ書かれているツイートが並んでいることに。
もしかしたら、エゴサしていた我が推しがうっかり目にし、不審に思ってしまったかもしれない。
これに謎はないし、もちろん呪詛でもない。
ただ純粋に、情報が知りたかっただけなのだ。
そうしてわたしは、HRを見て今日もひとりごちる。
この爆速モンスタートレインには、いつ乗っても楽しいし、乗車切符に途中下車の文字はないな、と。
(2022/4/13)